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二分法:静的と動的

二分法:静的と動的

静的=Ep, Ij 動的=Ej, Ip

静的:ILE、LII、LSI、SLE、SEE、ESI、EII、IEE


・静的タイプは、現実を一連のエピソード、シーン、写真として見る。静的タイプの意識は、変化の連続的な流れではなく、これらのばらばらな個別状態を知覚することに向けられている。
・静的タイプが出来事の説明を行う場合、出来事自体を一般化し、それを類似イベントの中にある個別のイベントとして扱う傾向がある(「大抵、私は新年を祝います...」)。
・通常、静的タイプの話には展開の中心となる主要人物が1人いる。これは話の過程でほとんど変化しない。
・静的タイプの話では、行動の説明やイベントの流れよりも、状態の説明が優勢である。これに加えて、ある状態から別の状態への移行は連続的なものではなく、ある状態から別の状態へ飛躍する。
語彙:連鎖動詞として「to be」(「~になる」「~に見える」)を頻繁に使用する、法動詞によって非人格的な提案を頻繁に使用する(「しよう」の代わりに「したい」、「できる」、「することが可能だ」)、動詞なしの構文使用。

動的:SEI、ESE、EIE、IEI、ILI、LIE、LSE、SLI


・動的タイプの場合、出来事は連続した繋がりとして見なされ、個別のエピソードに断片化されない。動的タイプの意識は、別個の状態ではなく変化の連続的な流れを知覚することに向けられている。
・出来事を説明する時、動的タイプは発生した具体的なイベントを一般化せずに説明する傾向がある(「去年の正月、私が行ったのは…」)。発話において、動的タイプは自身が描写している出来事の中心におり、聞き手はそこに「引き込まれる」ような印象を受ける。
・通常、動的タイプによる話では、全ての登場人物がある時点で主役になり、中心的な役割を担う。この役割は無生物にも与えられる。
・動的タイプの話では、プロセスの描写が優勢である(既に発生したものではなく、発生中、起こっている、進行中のもの)。
・語彙:直接的な目的を持たない行動動詞を使用する(「動いた」、「なった」、「させた」、「決心した」、「気分転換した」、「少し泣いた」)。彼らの話には、語り手や他の登場人物の行動、それら全ての相互作用を表現する多くの動詞が使用される。

注記


文章の文法的な構造にアナロジーを引き出すことが可能である。静的タイプの発話と動的タイプの発話における違いは、ロシア語における動詞の違いに類似している。静的な発話は、完了(特定の過去)動詞(「I have made」)に対応し、動的な発話は未完了時制(特定ではない過去)の動詞(「I did」)に対応する。英語において、静的な発話は単純(不定)時制に対応し、動的な発話は継続(進行)時制に対応する。さらに別の技術的な類似性を描写することもできる。最新のデジタルカメラは、2つの異なる方法(断片として保存するか、動画として録画する)でコンテンツを保存できる。同様の方法で、周囲の現実は人間の心の中に固定される。静的タイプは現実を別個の単位(「写真」)として、動的タイプは連続的な「動画」として「記録」する。

例:


静的タイプ:「正月は疲れる」「新年を祝うのが望ましいだろう...」「悲しかった(つまらなかった、面白かった)」「家にいた」「旅行に行った」「今回の休日は以前より充実していた」

動的タイプ:「クリスマスツリーのにおいがする」「この家は休日気分で満ちている」「この正月に、彼らは車でスキー場まで行って、一日中スキーした」「ボトルを空っぽにした」「集まって歌い、お祝いした」「新年には奇跡を期待していたが、失望は避けられなかった」。

この二分法は、準同一または恩恵関係など、表面的には類似して見えるタイプを区別するのに役立つ。例えば、人のタイプがILIなのかLIIなのかわからない場合、この人物の表現方法が静的構造と動的構造のどちらに支配されているのか判断することで解決できる。いくつかのケースでは、隠れた願望(動員機能)に重点が置かれているため、先生の立場であるタイプは生徒側のタイプを模倣し始め、動員機能に対する強い関心を主導機能と誤認することで、そのように自身を自己診断する可能性がある。ただし、すべての恩恵関係は静的/動的二分法で異なる側にあり、この特性に従って区別できる。

静的タイプと動的タイプの区別は、タイプが問題になっている人物の書面および口頭の話中に存在する、文法的および語彙的構成の注意深い調査と分析を通じて行うことができる。静的構造と動的構造の相対的な割合を推定することによって、他者の情報代謝タイプについて推測することができる。さらに、この特性は口頭や書面の資料(電子メール、手紙、書籍、フォーラムの投稿など)から推定できるため、診断する個人をよく知らなくても、距離を置いてそのような推定を行うことができる。

人々の表現には通常、静的構造と動的構造の両方が含まれる。この割合は、おおよそ次の方法でタイプに関連付けることができる。

静的:Ji-Ixxj>Ji-Exxp>Pe-Ixxj>Pe-Exxp || Pi-Ixxp<Pi-Exxj<Je-Ixxp<Je-Exxj:動的 
つまり、Ji-IjおよびJi-Epタイプの発話には通常、静的構成の割合が最も大きく、Je-IpおよびJe-Ejタイプの表現には動的構成の割合が最も多く占められる。この情報から、人の情報代謝の好みについて推測し、可能性の高いタイプを絞り込むことができる。精度を高めるには、少なくとも1ページ分の文章を分析することが推奨される。利用できる資料がオンライン投稿しかない場合は、短文ではなくまとまった文章を含む投稿を分析することが最善である。


静的と動的の理論的性質


静的IMタイプは、メンタルリング(機能1〜4)に静的IM要素が含まれ、バイタルリング(機能5〜8)に動的要素が含まれる。これは、静的な観点から物事を言語化する傾向があることを意味するが、行動は動的な側面によって大きく影響を受ける。
動的IMタイプは、メンタルリングに動的IM要素が含まれ、バイタルリングに静的要素が含まれる。彼らは動的な観点から物事を言語化する傾向があるが、行動は静的な側面によって大きく影響を受ける。
標準的ソシオニクスの定義によると、静的要素は現実の「スナップショット」を捕捉し、動的要素は進行中のイベントを追跡する。現実の静的な側面は、かなりの期間にわたって多かれ少なかれ固定的な傾向があるが、動的な側面は変わりやすく、絶えず進化している。静的IM要素と動的IM要素の知覚が互いにどのように比較されるかについて、以下に大まかな説明を示す。

●(静的):オブジェクトによって投影される外部の感覚データを知覚する。オブジェクトの外観が大幅に変化しない限り、●の印象は変わらない。
〇(動的):感覚データに対する内部反応を知覚する。同じ対象に対する各々の認識は、観察者の変化する内部状態に応じて異なる場合がある。
▲(静的):オブジェクトに固有の可能性を知覚する。時間の経過によって、オブジェクトの性質はあまり変化しない傾向にあるが、新しい状況では、これまで見過ごされていた潜在性の側面が明らかになることがある。
△(動的):外部の潜在性に対する内部の反応を知覚する。今日の時点で、その可能性は魅力的で好ましいように思えたとしても、明日は不吉な予感や落胆を生み出すかもしれない。
□(静的):オブジェクト間の論理的な相互関係を知覚する。基準点が変更されない限り、定義によって特定の分野または位置に属する。
■(動的):オブジェクトが行っていること、オブジェクトによって行われていることを知覚する。全く同じオブジェクトが、効果的または非効率的に使用されることがある。
(静的):オブジェクト間に存在する主観的、感情的な性質の繋がりを知覚する。これらの感情は徐々に生まれ、重大な断絶が起こるまでほとんど変化しない。
(動的):感情レベルでオブジェクトがどのように相互作用しているかを知覚する。同一のオブジェクトは、様々な要因に応じて、他のオブジェクトの安定集合と非常に異なる相互作用を行う可能性がある。

出典:http://www.wikisocion.net/en/index.php?title=Statics_and_dynamics

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