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ILI:サブタイプ

ILIサブタイプの特徴

Ni-ILI

Description by V. Meged and A. Ovcharov

サブタイプNiは公正で、落ち着いており、のんびりしているようにさえ見える。よく発達した比喩的・連想的思考能力を有する。読書家で、それを熟考と内省の材料にする。様々な話題について何かを語ったり、以前に読んだことを話したりして、長時間の意見交換を好む。通常、会話の中では機転が利き、礼儀正しく、やや控えめで、率直かつ批判的になり過ぎないように努める。自身の健康状態、虚弱な精神、または他の原因によって、しばしば抑圧や不満を感じる。自分の問題について他者と話し合うことは滅多になく、一定の距離を保つ。表には出そうとしないものの、内面は予想以上に臆病で矛盾に満ちており、傷つきやすい。動きは流動的でゆったりしている。体型は背が高くて痩せていることも、均整がとれていることもあるが、常に落ち着いて自己確信に満ちているように見える。歩き方や動きは滑らかで、やや揺れたりぐらつくこともある。

よく発達した想像力と創造力を持つ。熟考および受動的な瞑想に浸る人生を送る傾向がある。しばしば決断力や自信に欠ける。心の中では、美しく、調和の取れた豊かな生活を夢見る理想主義者だが、それを達成する手段を見出すことには非常に消極的である。内面では矛盾を抱き、批判的で人を信用しないが、それを常に示すわけではない。頻繁に疑念や動揺にさらされる。与えられた状況において、その人物の仕事や行動の結果を、強い直感によって予測することができる。不快な驚きやトラブルを避けるため、助言して注意を喚起することがよくある。歴史があり、実績のある真実を高く評価する。日常の変化に影響を受けやすいので、あらゆることを予見しようとする。例えば、旅行の前に全ての詳細について考え抜き、必要になるかもしれないあらゆるものを持参する。失敗や不運を長期にわたって覚えている傾向がある。過度の悲観主義のため、頻繁に憂鬱に陥る。豊かな想像力に恵まれていることが多く、新しい経験に憧れるが、実際には安心、安定、および安全を重視する。単調さによって過度の行き詰まりを感じた場合は、喜んで旅に出る。

新しい物事を習得したり、生き方を変える際には、先見の明と用心深さがある。性急に物事を進めることは滅多になく、重要な決定を下すことを先延ばしにしたり、延期することがある。事前にあらゆる事態について熟慮する。リスクがあり、即興を要する仕事や活動を嫌う。新しい試みには注意深く、慎重であり、優柔不断。習慣の人。喜ばしくないサプライズを嫌う。

通常は慎ましい生活様式を送り、交友関係は狭い。交流において自身が主導権を握ることは滅多になく、押しつけがましく思われることを望まない。愛情は安定している。見知らぬ人々の集まりに居心地の悪さを感じる。コミュニケーションにおいては礼儀正しく気さくだが、親密さや度を超えた感情表現は嫌う。他の極端なものと同様に、過度の感情は好ましくなく不要なものであると考え、他者が落ち着いて合理的であることを要求する。忠実で、通常は人に対して寛容であり、欠点を許す。困難な状況において、他者に対して寛大さと高潔さを示す。自身の責任を認識しており、それを完遂できると確信していなければ、何かを請け合うことはない。

利便性と快適性を重視する。心地よく豊かな生活に備えて、計画された一定のペースで作業することができる。創造的な仕事に惹かれると、根気強く研究を行える。従事するのが仕事か家事かは関係なく、期限までには達成しないにしても、徹底的かつ入念に仕事を成し遂げることができる。自身に対して厳しく、不快で面白くないが必要な仕事を自らに強いることができる。他者が何かをするように圧力をかけたり、説得することに困難を感じ、互いに有益な条件で合意に達することを好む。しかし、特に自分の助言や利害を考慮に入れず相手が行動するのを目の当たりにすると、非常に頑固で扱いにくくなることがある。

自分の容姿と健康を守り、身なりを整えて清潔に保ち、趣味よく装おうとする。明るい色の組み合わせや装飾、その他の余分なものを取り入れることはほとんどない。
高度な感受性と脆弱性のため、精神的なバランスを維持することが困難。気分を制御できず、他の何かに注意が移るために、ある時は過剰に粗さがしをしたり気難しくなり、またある時は優しすぎて人の言いなりになる。感情が他者に伝達される。これを承知しているため、その場の勢いで取った言動を後で後悔しないように、機嫌が悪い時は孤独に時間を過ごすことを好む。気分が良い時は、注意深さと気配りにより信頼を得て、積極的に助言を共有する魅力的かつ感じの良い人物である。

Description by Victor Gulenko

基礎的開発で道を切り開く研究者・理論家。アナロジーを使用して、進行中のプロセスがどのように展開されるか、しばしば予測できる。社会経済の動向に対して優れた感覚を有す。広範な知識と優れた記憶力を持ち、頻繁に細部で行き詰る。商業的なものも含めて、状況を扇動することができる。コミュニケーションにおいて困難を感じる。競争相手を調べ上げ、辛辣さをもって批判し、欠陥を強調したがる。禁欲的で不平が多い。多くの場合、弱々しい姿をしており、外見に無頓着だったり健康にあまり気を配っていないことがある。

Te-ILI

Description by V. Meged and A. Ovcharov

サブタイプTeは、自信家かつ、自制心があり、合理的な人物という印象を与える。ほとんどの場合、礼儀正しく、批判的な気質を示し、ユーモアのセンスがある。頻繁に微笑むが、やや単調で型にはまったものである。礼儀正しくあろうとするため、自分の考えや観察の全てを常に表明するわけではない。物事を分析の対象にするのを好む。時に傲慢で相手を馬鹿にしているように見える。懐疑的、皮肉屋、そして人を信用しない。性急に引き出された結論より数字や事実を信用する。合理化に優れる。要点を見分け、無駄と判断した業務やプロジェクトへの従事を避けることができる。ほとんどの場合、体型はがっしりとして肥満体質。通常は早足で、動作は毅然として目的意識の窺えるものである。話しながら活発に身振りで表現する。やや気性が激しく衝動的に見えるが、通常は品位と落ち着いた威厳を醸し出している。

実現可能性と実用性の観点から、状況または新たなプロジェクトを迅速に評価する。現実的な目標を好み、それらを達成する目標は自身または仲介者を通して見つけ出す。合理的な行動をとる傾向がある。提示されたあらゆる事実の詳細を留意し、重要なものを抜き出し、そうでないものは脇に払いのける。最小限の労力で、最大限の効果を引き出すことができる。正確な政治的・経済的予測を行うことができる。人々が積極的になるように促進するだけでなく、無益と判断した活動に対して牽制を行う。自分を取り巻く世界のあらゆる矛盾と不完全さに気づく。発達した猜疑心のため、新しい事業や人々の能力が宿す可能性について、適切に評価することが難しい。慎重さを求めると共に、鋭い皮肉で行き過ぎた熱意を冷ます可能性がある。

物事を組織する能力がある。業務において有能かつ、様々な問題において見識豊かであろうとする。質の高い仕事と高度な資格を評価する。法律や規制に関心があり、必要かつ興味深い情報を収集する。しばしば事実に基づいた情報を提示して自身の見解を証明するため、議論において説得することは困難である。直接的な圧力に屈しないだけの頑固さを有する。

職業上、またはビジネス上の知り合いは広範囲に存在するかもしれないが、誰かと本当に親密になることは滅多にない。他者に依存する恐怖から、自己満足と自信に溢れた人物のように振る舞う。それにもかかわらず、しばしば心の支えを必要とする。成功への自信を植え付けることができる、楽観的な人間を好む。他人の欠点を批判的に認識する。批判的な発言を控えられない場合があり、そのため他者と円滑な関係を維持することが難しい。

内面は感情的だが、自制的であろうとする。極端な状態に陥ることは嫌うが、自身の信条が破られる場合、感情が爆発することがある。通常、感情の表現は抑制されており、お世辞を言うことを嫌い、欠点を指摘することがより誠実であると考える。この場合、率直さにより他人の自尊心への配慮が足りないことがある。内外を問わず、不快感をあまり容認しないため、発言したことによって残された悪い印象を払拭しようとする。

倹約家、経済的および実用的。贅沢を嫌い、少ないもので満足できる。物や財政を上手く扱う。文書を扱うのが上手い。実用的な問題に対処する際に創造性を示す。他者にとっては使い道がないように見えるものから、用途を引き出し適応させることができる。外見と日々の生活は質素。物質的な特権や見返りを、自ら請求するのは居心地が悪く感じる。付属品に多くの価値を帰すものではないが、自分の外見が社会の風潮と一致しない場合、不安を感じる。休息時はやや受動的。自己規律の弱さと一定の不活動性のため、健康的なスタイルの役割を過小評価しており、それが原因で健康問題を抱える可能性がある。

Description by Victor Gulenko

実用的、運用的、機動力がある。無駄な作業や活動に着手することを避ける。あらゆるものから利益を引き出そうとし、産業における無駄を許容せず、すべては合理的に利用されるべきとする。会合、来客、友人、会食を愛する。ユーモアの感覚に優れる。周囲の人々と上手くやる方法を熟知している。外見的には優雅で社交的である一方、体格はやや締まりがなく弛緩したものである。

出典:ILI subtypes

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