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二分法:外向と内向

外向と内向

外向型=xxE、内向型=xxI

外向:ILE、ESE、SLE、EIE、SEE、LIE、IEE、LSE  


<定義>
世界をオブジェクトとして認識する。オブジェクトの特性からオブジェクトの関係を推定する。オブジェクトの関係に影響を与え、オブジェクト固有の特性をより適切に反映する。

<知覚>
・外界との主観的な関係よりも、外の世界の要求と客観的な性質に焦点を当てる。
・分解、研究、認識、および相互に比較できるオブジェクトとして、世界を認識する。オブジェクトの特性からオブジェクト間の関係を推定する。
・オブジェクトの品質は確固としたものだが、オブジェクト間の相互関係は変更可能と見なす。オブジェクトの相互作用を変更して、オブジェクトの品質に適合させる。
・自分や他者を中心に成り立つ出来事や状況に責任を感じる。

<生理>
・エネルギーの消費に焦点を当てる。完全な平衡状態に達するためには、エネルギーと注意力を費やす必要がある。
・一般的に、覚醒の最適レベルが高い。
・平均して、威厳があり自信に満ちた声を持つ。
・肩から下で身振りをする傾向がある。

<感情>
ソシオニクスの外向は社交性を指すものではない。
・馴染みのない環境にいる場合や、エネルギーを使ったり注意を向ける相手がいる場合に活気づく。
・他者に関与することを好み、自分に干渉しようとする人間を評価しない。

<知的資質>
・広く浅く興味を持つ。自身に適合しないものに興味がある。
・退屈しないように外部刺激のより大きな流れを必要とする。
・注意や考えは現在と近未来に集中する傾向がある。
・考えを整理するために意見を口に出して話す必要がある。

<強み>
・一から物事を始める。
・人々の特性とスキルを客観的に比較する。
・人の個性や価値観を尊重し、それらを変えようとしない。
・新しい責任を進んで引き受ける。
・タスクの規模を拡大する。
・状況を作り上げ管理する。
・人と人との新たな繋がりを形成する。

<能力>
・知り合いを作る。
・組織的な活動を展開する。
・他者に働き掛ける。

<短所>
・意義を理解し、自身を見失わないようにするなど、内なる世界の管理を誤る。
・物事をやりすぎる。エネルギーを浪費する。多くの事に手を出す。
・外界に支配され、絶えず外部の要因に奉仕して自己意識を失う可能性がある。
・一カ所に留まらず、態度や内面を改めずに外的状況を変え続けることがある。

<典型的な不安>
・多くの場合、他者との間に存在する確かな繋がりに自信がない。
・多くの場合、内面の制御を失うことを恐れる(感情、外部刺激に対する反応)。

<人間関係の態度>
・継続的な拡大。
・新しい要素やアクティビティを加えて、関係を広げ続ける。
・パートナーの外部生活(活動、興味、友人の輪、有益な機会)を改善し、面倒を見る。

内向:LII、SEI、LSI、IEI、ESI、ILI、EII、SLI  


<定義>
自己を通して知覚されるオブジェクト間の繋がりとして世界を知覚する。オブジェクトの関係からオブジェクトの特性を推定する。オブジェクト間に存在する必然的な関係に基づいて、オブジェクトの特性に影響を与える。

<知覚>
・外の世界そのものではなく、外界との繋がりと主観的な知覚に焦点を当てる。
・世界をオブジェクト間の繋がりや相互関係として認識する。他のオブジェクトとの相互関係からオブジェクトの品質を推定する。
・相互関係は確固としたものだが、オブジェクトの品質は変更可能と見なす。相互関係に合わせてオブジェクトの品質を調整する。
・自身と他者の心理的な「場」(対象と外界の相互作用)の質に責任を感じる

<生理>
・エネルギーの節約に焦点を当てる。完全な平衡状態に達するためには、エネルギーや注目を注がれる必要がある。
・覚醒の最適レベルはやや低い。
・平均して声に威厳はない。
・肘から下で身振りをする傾向がある。

<感情>
ソシオニクスの内向は非社交性や内気を指すものではない。
・馴染みのある状況に居る場合、または誰かが自分にエネルギーや注意を向けている時に活気づく。
・他者に関与されることを好み、自分が干渉することを期待する相手を評価しない。

<知的資質>
・狭く深い興味。適合するものとしないものに対する明確な感覚。
・外向型よりも状況に没頭する。
・注意と思考は現在および直近の過去に集中する傾向がある。
・意見を公に口にしなくても、自身の考えを把握している。

<強み>
・完成された作品を作り上げる。
・通常、良い聴き手でありサポーター。
・他人の関係に干渉しない。
・限定された責任を請け負う。
・タスクを削減する。
・人々に新しい資質と価値をもたらす。
・既存の人間関係と状況に適応する。

<能力>
・通常のパートナーや組織の内政と連携する。
・組織の内部構造を洗練させる。

<短所>
・見知らぬ人物が関係する複雑な状況を処理する。
・外界で物事をやり切れない。「過剰な」主導権を示すことを回避。
・現実とは殆ど関係ない想像上の世界に浸ることがある。
・望ましくない外部状況で容易に行き詰まり、延々と適応するのではなく状況を変えたり単に抜け出せばいいことに気付かない場合がある。

<典型的な不安>
・多くの場合、他人と比較した自分(特性、スキルなど)に自信がない。
・多くの場合、外界で見過ごされたり必要とされないことを恐れる。

<人間関係の態度>
・関係の内的生活を管理する。
・パートナーのイニシアチブを受け入れる。
・パートナーの内的生活(感情、感傷、内的ニーズ、現実の主観的な知覚)を改善し、面倒を見る。

外向と内向に関する一般的な誤解

上記を検討した結果として、ソシオニクスは明らかにこれらの用語を、現代の心理学で理解されている用語とは異なる方法で定義している。ユング以降、「外向性」と「内向性」という用語は徐々に具体的な意味を帯びてきた。外向型はグループ活動や交際を楽しむ社交的な人物であり、内向型は一人で多くの時間を過ごすことを好む。これらの定義に基づくと、アメリカ人の75%が外向的であり、25%が内向的であることがわかった。アメリカの文化は外向性を重視しており、人々がテストで外向/内向の結果を受け取った後、「貧乏くじ」を引いたように感じることがよくある。しかし、これらの用語のソシオニクスにおける定義を使用すると、私の経験では、米国だけでなく、ウクライナ、ロシア、スペイン、および私が訪れた他の国々でも数字は実質的に等しいことを示している。このような異なる結果により、ソシオニクスの外向性および内向性という用語は、現代心理学(および一般的な)における定義と僅かしか重複しないことは明らかである。

※筆者はWikisocionの創始者リック・デロング(IEE)

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