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二分法:直観と感覚

直観と感覚

直観型=Ixx、xIx  感覚型=Sxx、xSx

直観:ILE、LII、EIE、IEI、ILI、LIE、IEE、EII


<定義>
・目に見える具体的なものよりも、目に見えない抽象的なものについて思考、研究、作業し、それを基に決定を行う。
・意図、価値、予期、パターン、精神構造を分類する。
・自身を取り巻く直観的な世界の変化(抽象的な状況、タイミング、隠れた動機、戦略の変化、情報)を常に意識的に受け入れ、素早く反応する。感覚世界の変化に対する反応は鈍く、遅い(快適性と不快感、物理的環境、美学、感覚、人々は何を着て何をしているか)。

<知覚>
・瞬間の感覚データよりも現実の一般化(現実の抽象的な精神表現など)に焦点を当てる。
・状況およびプロセスの抽象的なパラメータ(タイミング、潜在性、目的、隠れた要因など)を高度に知覚する。
・感覚データや物理的感覚への知覚は鈍い。

<生理>
・細面で、顎に比べて広い額を持つ。
・動きに対する意識は低く、精神に集中している。
・通常、視線はどのオブジェクトにも焦点を合わせていない。視線を据えずにオブジェクトを見る。
・「か細い」声であることが多い。

<感情>
・感情とは距離を置いているように見え、しばしば現実の精神的表象で起こっている現象に結びついている。
・通常、洒落や言葉遊びが多い。

<知的資質>
直観は知性を意味するものではない。
・帰納的思考:全体から部分(森を見る)。最初に全体像またはシステムを理解してから、具体的な現実を見る。
・決定を下すには全体像を見る必要がある。
・概念的思考。
・戦略家。

<強み>
・人や状況に、視認できない可能性を開拓する。
・戦略的先見性。状況とプロセスに内在する展望と危険を見出す。
・意義と戦略的一貫性を生み出す。

<能力>
・隠れた問題が何かを推測する。
・大量の文書データの処理。
・情報の追跡とカタログ化。

<弱み>
・物事を迅速に行う必要がある状況において適応が遅い。
・しばしば自分の好みや欲求がわからない。
・家事や雑事を行うこと。
・実務性に欠ける。
・計画を具体化せずに潜在性を追求し続ける。
・直接的な助けや励ましがないと、ほとんどの場合、審美的にも肉体的にも無味乾燥な生活を送る。
・情報や将来の展望に支配され、物理的現実と健康を無視する場合がある。

<典型的な不安>
・多くの場合、物理感覚と健康状態が不安定。
・多くの場合、パートナーが自分に本当に魅力を感じているか自信がない。

<人間関係の態度>
・精神的な側面を管理する。
・意義を与える。
・パートナーをより良い人間にするために、パートナーの心象を学ぶ。

感覚:ESE、SEI、SLE、LSI、SEE、ESI、SLI、LSE


<定義>
・目に見えない抽象的なものよりも、目に見えない具体的なものについて思考、研究、作業することを好む。
・願望、外観、生理的なプロセスなど具体的な対象の優劣について考えることを好む。
・自身を取り巻く感覚的な世界の変化を常に意識的に受け入れ、素早く反応する。直観的な世界の変化には鈍く、遅い。

<知覚>
・データの一般化よりも瞬間の感覚データ(五感やその他の感覚から認識した情報)に焦点を当てる。
・感覚データ(五感、外見、色、物理的状態と感覚、具体的な動機など)を高度に知覚する。
・状況とプロセスの抽象的なパラメータへの知覚は鈍い。

<生理>
・大抵、角ばった顔としっかりした顎を持つ。
・意図された動きと接触。全身に注意が行き渡っている。
・通常、視線は安定して焦点が合っており、オブジェクトからオブジェクトに移動する。
・「メロディック」な声を持つことが多い。

<感情>
・通常、感情は具体的なものや具体的な対象に関する想像と関連する。
・力強い笑い。

<知的資質>
・演繹的思考。部分から全体へ(木を見る)。常に詳細を認識し、システム全体をあまり認識しない。
・特定の状況ごとに、限られた情報でも迅速に意思決定を行うことができる。
・実践的思考。
・戦術家。
・物質的オブジェクトとその周囲の空間を追跡する。

<強み>
・可能性を実現する。可能性を物質的な現実に変換する。
・活動から感覚的な喜びを引き出すことに優れる。
・自分および他者の身体的ニーズと生理学的感覚を理解する。
・自身の身体的な魅力を評価し、それを利用する。

<能力>
・手作業、料理、手芸。
・オブジェクトへの集中を必要とするタスク(例えば、機械や人の監視)。
・実践医学。

<弱み>
・タイミング感覚の欠如。性急に決断する傾向がある。
・先見性に欠ける。間近に潜む可能性や危険を認識できない。
・進歩や発展性に乏しい。戦略的展望を打ち出すことなく欲望を実現し続ける。
・感覚的な喜びに支配され、快楽主義的になる場合がある。
・人生の意義や戦略的一貫性に欠けることが多い。

<典型的な不安>
・明日は何が起こるか不安。

<人間関係の態度>
・感覚的な側面を管理する。
・感覚、喜びを基準にする。
・魅力について簡単に口にする。
・パートナーがリラックスして楽しめるように図らうことができる。
・パートナーを肉体的に獲得しようとする。

ソシオニクスの直観バイアスを克服する

多くの二分法における感覚の単純化された見方と直観の誇張された見方の記述に伴い、ソシオニクスには直観に対して僅かなバイアスがある。これはソシオニクスの理論的性質(ILEであるAugustaによって作られた)と、この分野において直観型が支配的であることに由来する。外向的直観(▲)が「物の本質への洞察」であり、その双対機能である内向的感覚(〇)が「快適さを作り出す能力」と記述されるのは珍しくない。審美的および身体的調和よりも知的生産と精神性を重視する社会では、ほとんどの人々は内向的感覚(上記のように記述した場合)よりも外向的直観を望ましい資質と見なす。これは、特に自分を知識人と考える感覚型の場合、自己テストの結果を歪める。ただし、どの社会でも感覚型に対する直観型の割合は約50:50である。

直観型は「精神的な人」であり、感覚型は「物理的な人」であると、一般化して言いがちである。これは特定の狭義では当てはまるかもしれないが(下記を参照)、それを訂正する多くの人々が存在する。太ってずんぐりした直観型、痩せてすらっとした感覚型、筋骨隆々の直観型アスリート、感覚型の学者や本の虫など。

肉体で見ることも経験することもできないが、「心の中で見る」ものを容易に識別するという意味で、直観型は「精神的」である。感覚型も心の中で物事を想像することはできるが、彼らはそれをあまり認識せず、最終的に現実に変換できないものへの関心を失う。

物理的現実をより多く認識し、心の中に浮かぶが具体化できないものをあまり識別しないという意味で、感覚型は「物理的」である。感覚型も一般化を行い、哲学的洞察を持ち、包括的な「目に見えない」原則に関心を持つ。しかし、彼らは現実と密接に結びついている抽象的な原則のみを真剣に受け止める。直観型は、しばしば「抽象化の抽象化」を行い、現実のためにそれを受け入れる傾向がある。

ほとんどの場合、人は自分の強みと一致する領域に引き付けられるが、それに反する事態が起こる場合も多い。直観型が現実から離れすぎて的を外した典型的な「直観」の領域で、感覚型は突破口を開くことができる。感覚型が従来の形式に集中しすぎて、目に見えない可能性を無視した典型的な「感覚」の領域で、直観型は突破口を開くことができる。

知的分野

感覚型は科学、研究、芸術批評などの知的分野に惹かれる時、実践的なアプローチを取る傾向があり、個人的に観察した現象や、他者が信頼する方法を使用して観察した現象を研究・議論することを好む。同じ知的分野に携わる直観型は、アイデアや推論について話す傾向がある。新しいアプローチやこれまで見えなかった可能性が生まれた時、彼らの投機的な思考が実際の突破口につながることもある。また、より実践的なアプローチで重要な発見をするのは、感覚型である。ただし、原則として抽象的で現実からかけ離れた分野ほど、直観型の集中度は高くなる。

出典:

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