スキップしてメイン コンテンツに移動

双対関係:EII-LSE


1.Te:主導機能(LSE)/暗示機能(EII)

LSEは有益な活動に従事することに努めており、利益にならないことを滅多に実行しない。行動の論理と合理性の評価が、LSEの「主導」機能による意見の基調を構成する。LSEは、生活の様々な分野から事実情報を蓄積し、この情報を明確で論理的な意見の形で提示する。そのような情報は、同種の問題から距離を置いているEIIにとって、人生について自身の概念や考えを見直し調整するために必要である。多くの場合、LSEの活動は、物質的な利益の散漫な獲得という形をとる。EIIは、LSEのアプローチを合理化し、より集中的かつ直接的なものにする手助けを行い、それによってエネルギーを節約する。多くの必勝法の中から、最大の利益をもたらす可能性が最も高い戦略をLSEが選択するのに、EIIは役立つ。さらに、EIIはLSEの意見を調整して、人生のあまり実用的でない側面に注意を引き付け、それによって、この関係に物質的な利益と非物質的な利益のバランスをもたらす。


2.Si:創造機能(LSE)/動員機能(EII)

便利で快適な体験を生み出すことに、LSEは定期的に努力を注ぐ。これには、高品質の道具の取得、楽しいレジャー活動の組織化、栄養のある食物の提供などが含まれる。LSEは自身で努力の成果に耽るのではなく、それらを他の誰かに提供しようとする。サプライズを手配したり、思いがけない贈り物をすることを好む。そのようなケアと注意の実質的な履行を、EIIは必要としている。EII自身がケアを提供することはできるが、自宅の清潔さの維持や日常の雑務などの細々としたささやかなタスクでのみ、僅かに愛と献身を示す。EIIは過剰な経験を得た時、例えば、色鮮やかで注目を集める服を着て公共の場所に出かけたり、大勢に容姿を検分された時に、不安や不快感を経験する。LSEとEIIの見解は、家庭の維持管理レベルでも一致している。例えば、「物を使った後は元の場所に戻す必要がある」、「テーブルに余計なものを置くべきではない」、「衣服や靴は良質でなければならない」など。


3.Fe:役割機能(LSE)/無視機能(EII)

LSEは、役割機能で自身の感情を抑える。他者との付き合いにおいて自分の行動を制御し、生産活動を妨げるかもしれない感情的な爆発を打ち消そうとする。しかし、LSEの感情は最早それらを封じ込めることができなくなるまで蓄積し、定期的な怒りの勃発に苦しむ。これは極端な状況、または誰かがLSEの行動、スタイル、または仕事を無礼に批判する場合に、特に顕著である。EIIはこの機能の監督者として機能し、LSEが放電して感情的にリラックスするように促し、些細なことに腹を立てたり過剰な心配に陥らないように、また他人をもっと肯定的に見るように、次のような発言によって助言を提供する。「彼に機嫌を直してもらおう」、「あなたは彼を理解していなかった」、「気持ちを落ち着ける努力をして」など。LSEがそのような助言を受けず、その種の感情的な支援を与える慰めの言葉を耳にしないと、一定の強い緊張状態で生活する。


4.Ni:脆弱機能(LSE)/実証機能(EII)

時間の流れ、特に主要な期間の変更を、LSEは十分に認識・区別していないため、活動の計画に困難を感じる。通常、十分に前もって準備を開始し、それでも全てを時間どおりに完了できないことがある。事前に準備する時間を取れるように、開始時刻のかなり前にイベントに到着する傾向がある。将来の出来事に対処しなければならない場合は特に判断力に乏しく、このトピックに関する質問(「それで明日は何をするの?」など)を嫌う。個人的な見解について保守的であり、希望を現実と間違えることが多い。EIIは、この機能についてLSEを口頭で批判したり教えたりしようとしない。EIIは計画を行う生来のスキルを有しており、混雑や過負荷を回避するために、時間軸に沿ってイベントを配分することができる。さらに、EIIは、作業の大部分をプロセスの終盤付近で実行するように手配する。これにより、全てを相当に前もって着手する双対の傾向を補う。LSEがEIIからこの種の支援を受けていない場合、通常、仕事や活動で自身に負担をかけ、その後の実行力は次善のものとなる。


5.Fi:暗示機能(LSE)/主導機能(EII)

LSEは、人々との関係や彼らがどうあるべきかに関する、倫理的・教訓的な内容と形式の情報を受け取ることを、無意識に期待している。通常、心理的に大きく距離を開けて他の人々とコミュニケーションを取り、公然と露骨な形で表現される態度にしか気づかない。EIIはこの種の情報を供給し、関係の調整に関して「主導」機能から定期的に声明を発する。また、行動の具体的な側面に基づいた倫理プログラムを提供する。これはLSEによって一般化され、自身の行動において考慮される。LSEがそのような倫理的な「講義」を受け取らなかった場合、他人に対して優しさと礼儀を、親しい人々に対しては厳しさや無礼さえも示す、対照的な態度に陥る。


6.Ne:動員機能(LSE)/創造機能(EII)

LSEは、どこに大きな可能性があり、どこに殆どないのかを十分に識別していない。したがって、自らの支援を広げるべきか、誰かを雇うべきかどうか確信が持てず、可能性の範囲を認識できないことが多い。人に対して事前に前向きな態度を示すと、違和感を覚える。周囲のあらゆる人々に、LSEは意識下の要求を提示する。「何ができるかを見せてください!」対照的に、EIIは他の人々に積極的な注意を払い、思いやりと先回りした優しさや善意をもって彼らを扱う。他者の潜在的で有望な資質を認識し、支援的な行動で彼らのさらなる発展を促すことができる。EIIは、具体的な活動に対して、他の人々が自身の能力と価値を示せるように促すことで、彼らに関するLSEの疑問を軽減する。そのような評価や支援をEIIから受けないと、LSEは鈍感で冷淡な人間と見なされる可能性がある。これを感じ取ると、時に自身の思いやりを派手に誇示する傾向がある。例えば、歓迎会やレセプションパーティーを手配する。


7.Ti:無視機能(LSE)/役割機能(EII)

EIIが何らかのトピックに興味を持つと、それを非常に詳細に研究して、あらゆる側面を綿密に分析する。役割機能が必要とするのは、重要な側面と些細な側面を区別し、新しい分類方法を発明し、イベントの客観的な図を作り出す生来の能力を持っている、LSEからの口頭による調整である。EIIは、他の人々と接触すると、物理的に近い距離を保つ傾向がある。また、些細なことでも、客観的かつ公正であるよう努める。EIIの均一で無表情な顔は、他者が近づき、親交を強要することを促す。LSEは「何のために彼が必要なのか」、「彼女と関わる価値はない」、「今夜は誰も私たちの家に招待しないで」などの説明を提供して、EIIが距離を広げるべきであると主張することによって、この距離を調整する。この機能は、LSEがEIIを慰める必要がある場合にも有効である。そのような場合、LSEの男性からは、「彼をどうしてやろうか」「彼を打ちのめして、顔をめちゃくちゃにしてやる」といったフレーズを聞くことがある。この言葉の要点は、構造の破壊である。


8.Se:実証機能(LSE)/脆弱機能(EII)

特定の基準や規則を満たしていない、またはタスクや責任を果たせない人々に、LSEは無意識かつ継続的に、意志的な圧力をかけている。時に興奮、激しい気性の閃き、そしてどんな主題についても議論する意思(それをあまり理解していなくても)を見せる。LSEは、特に攻撃性に寛容ではない。攻撃に対しては、反撃をもって応える。この種の圧力に対抗することは、揺るぎない穏やかな頑固さによってのみ可能である。EIIは、他の人々に圧力をかけ、必要なことを彼らに強制すること、そして自身のスペースを確保し防御することに困難を感じる。内部空間を保護し、他の人々に要求を行うことを、LSEは自身で背負い、侵略や敵対的な前進に迅速に対応する。同時に、物理的な領域で利益を守ることにおける弱点に、EIIの注意を向けない。LSEは、この関係の重要な利益を積極的に保護する責任を負う。


出典:http://www.wikisocion.net/en/index.php?title=Descriptions_of_Dual_Relations_by_Gulenko#EII-LSE

コメント

このブログの人気の投稿

MBTI:タイプの関係

日本では何故かソシオニクスしかタイプの関係を扱っていないことになっている(?)が、MBTIでもタイプの関係については言及されている。「タイプの関係(相性)」は誰でも思いつくテーマなので当然だが、MBTIの関係論については、あまり有名ではない。理論的にはそこまで緻密なものではないが、参考までに紹介する(メインで取り上げるカーシーについては この記事 を参照)。 初期のカーシーは、真逆のタイプ同士の相性が最も優れていると考えていた。人は自分にないものに惹かれる。つまり、INTPとESFJが互いに惹きつけ合う。ただ、その後の観察から、カーシーは考えを変えたらしい。多くの結婚生活を観察した結果、SJとSP、NFとNTの組み合わせが最も多いことがわかった。どちらの組み合わせも、コミュニケーションの好みは一致している一方、目標を達成する手段は異なる。例えば、SJとSPは共に具体的な対象について話すことを好むが、SJは協調して行動するのに対し、SPは実利を重視して行動する。逆の組み合わせ(SJとNF、SPとNT)では、この関係性は成立しない。このため、SとNの違いが重要とされる。 実はタイプの関係については、マイヤーズも言及している。375組の夫婦を調査したところ、夫婦の77%は二つ以上の指標が一致していた。特にSN指標が一致していることが、タイプを問わず重要だという。マイヤーズは異なるタイプ間の違いを理解するためにMBTIを作ったが、実際は自分に近いタイプを好むらしい。ユングによれば、人のシャドウによる行動は、その人物の行動と見なすべきではない。シャドウを額面通りに受け取らないことが、結婚生活を上手く送る秘訣になる。 話をカーシーに戻すと、彼の理論ではSN以外の指標が逆のカップルに、最も互換性がある。つまり、 ESTP x ISFJ 、 ESFP x I STJ 、 ESFJ x I STP 、 ESTJ x ISFP 、 ENTP x INFJ 、 ENFP x INTJ 、 ENFJ x INTP 、 ENTJ x INFP がベストカップルになる。以下に各々の気質ごとの関係性をまとめた。 <SP:職人> SPは異性と真剣な関係になりにくい。衝動的に人々に惹きつけられ、新たな関係を結ぶ。他の気質よりも外見に気を遣い、性的な経験にも積極的である。抽象的な刺激には心を動かさない

MBTIとソシオニクスの違い:心理機能と情報要素

前回 はJ/Pの違いについて触れたが、MBTIとソシオニクスは4指標の定義、心理機能(情報要素)の定義においても異なっている。以下はWorld Socionics Societyが挙げた両者の違いとなる。 ①各指標が意味するもの ・MBTIのI / Eは「人と関わってエネルギーを得るか」だが、ソシオニクスではFに依存する。外向T型は交流をあまり必要とせず、内向F型は人と関わることを好む。 ・MBTIのN / SはN型のみが創造力・発想力に富むというバイアスがかかっており、S型は過小評価されている。ソシオニクスでは両者が得意とする領域で公平に取り扱われる。 ・MBTIのT / Fは「厳しさ・優しさ」を表すが、ソシオニクスでは競争心・攻撃性・厳しさはSeに依存する。よってソシオニクスにおけるSe優勢タイプの多くが、MBTIではT型になる。ソシオニクスのFは親切心・寛大さではなく、対人能力を表す。よってSe-Fタイプは社会的に優位に立つためFを利用する。 ・MBTIのJ / Pは「組織力・計画性の有無」を表すが、ソシオニクスではTに依存する。よって多くのF型がMBTIでPと判定される。ソシオニクスの合理・非合理は物事が「どうであるべきか(T / F)」「どうであるか(N / S)」というアプローチの取り方に焦点を当てる。EIE(ENFj)やEII(INFj)は計画性に欠ける可能性があるが、「自分の感情は正しい」「他人はこのように感じるべきだ」という明確な見解を持つタイプとなる。 ※なお、わかりやすくするために特徴を挙げたが、詳細は各指標に関する記事で確認して欲しい。 ②MBTIの認知機能とソシオニクスのIE ・MBTIのSe(現在を生きる、快楽を求める、美的感覚)=ソシオニクスのSi ・MBTIのSi(記憶、歴史、比較、時間感覚)=ソシオニクスのNi ・MBTIのSi(ルールを守る)=ソシオニクスのTi ・MBTIのTi(物事の仕組みを解明する)=ソシオニクスのTe ・MBTIのTe(権威、指揮、上下関係)=ソシオニクスのSe ・MBTIのFi(感情の状態)=ソシオニクスのFe ・MBTIのFe(人間関係、社会的に適切な態度)=ソシオニクスのFi ※ソシオニクスについては「 情報要素 」を参照。 ③グループ分け ・MBTI

トライタイプ

<トライタイプとは> 1995年の調査で、人はひとつだけでなく、好ましい順番で使用される三つのエニアグラムタイプを持つことが示された。これらの各タイプは三つのセンター、ヘッド(567)、ハート(234)、ガッツ(891)に存在する。 三つのタイプのうち、支配的なタイプは自我の優先する防衛戦略を表す。しかし、支配的なタイプの戦略が失敗すると、自我は残り二つのタイプの戦略を順番に利用する。支配的なタイプは常に統制者であるため、最終的に核となる戦略に立ち戻る。 <調査方法> 初期の調査から明らかになったことは、質問票やコーチングの際にクライアントによって使用された語彙パターンが、一貫して三つのタイプを中心に自我の戦略を組織したことである。言い換えると、クライアントは個人的な心理経験をさらけ出す際に、三タイプの言語や語彙を利用した。 クライアントは支配的なタイプだけでなく、他の二タイプの核となる恐怖とも共感した。さらに重要なことに、多くの人々は支配的なタイプとラインやウイングで繋がっていないタイプの語を使用した。殆どの理論家は全ての言動が支配的なタイプ、ウイング、ラインに帰するものと考えていたが、クライアントは各センターにおけるタイプの語彙を何度も使用したため、これはトライタイプの発見において重要な特徴である。 語彙分類は質問票の単語選択を統計的に実証し、各タイプが母語、年齢、性別、教育、国籍や人種を問わず独自の語彙を使用するという仮説を確認するために使用される。さらに、支配的な本能型の言語と同様に、トライタイプを構成する3タイプの語彙を使用することも確認する。このため、タイピングは5つの段階を経る。1)質問票。2)エニアカードを用いたテスト。3)本能型のテスト。4)語彙分類。5)コーチング。 出典: https://www.katherinefauvre.com/tritype/ <ウイングとライン> 調査は人がウイングとライン(エニアグラム図で点同士を結ぶ線)を利用することを示したが、これらのウイングとラインは、個別に使用される戦略に留まらない。何故、メインタイプと関連のない根源的な恐怖、語彙、動機や望みが報告されたのか?トライタイプにウイングタイプや統合・退行ラインに沿ったタイプが含まれると、そのタイプが活用されることが極めて多い。 例えば、トライタイプに3と6を持つ