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本能のサブタイプと人間関係


私たちの主要なサブタイプは、人間関係に影響を及ぼす。過去30年の研究の中で、エニアグラムに携わる人々は、エニアグラムのタイプよりも本能のサブタイプの方が人間関係において重要であることに気づいた。勿論、基本的なタイプの動機とニーズ、長所と能力、防衛システムも影響する。しかし、生活を共にする場合、関係の多くはサブタイプに影響される。これは大脳辺縁系に支配された本能と感情の領域であり、完全に合理的な精神機能ではない。ここでは主に親密なパートナーに焦点を当てるが、家族、友人、同僚との関係については多くの洞察がある。

「どのサブタイプが最良の関係を築くのか」という質問に明確な答えはない。全てのサブタイプの組み合わせが機能する。サブタイプの関係スタイルを説明するために、ウォームクールホットという用語がよく使用される。Spはウォーム、Soはクール、Sxはホットに対応する。

<同じサブタイプ、異なるサブタイプ>

同じサブタイプを持つ人々は、同じ世界観、同じ関心分野や活動を持っている。多くの場合、共有言語と関係スタイルに基づいて、良好な関係を築く。例えば、ウォーム6はSo6やSx6よりも、Spのタイプ1やタイプ9と容易に繋がる。So同士が団結すると、共有された見通しとグループの相互作用によって、同調しやすい。Soサブタイプは実際には「社会構造」のサブタイプであり、場合によっては「反社会的」であることに注意する必要がある。多くの友人を持っている、またはコミュニティで最も活発な人物を意味するものではない。

同じ本能型を持つパートナーは接しやすいが、長期的には常に最善とは限らない。同じサブタイプ同士はお互いの習慣や信念に無意識下で同意し、能力を十分に発揮できない可能性がある。例えば、二人のSpは性的親密さから離れて、ひたすら互いの食習慣や快適な生活をサポートしていることに気づくかもしれない。二人のSoは過剰な社会適合やグループ活動を優先して個人的な生活を疎かにする一方、Sx同士は外界から離れて「二人きりのカルト」を結成する。

異なるサブタイプ同士は互いに異なるリソースを提供し、自分の強みで相手を補完する。例えば、Sx(またはSo)が外で働いている間に、Spが家庭の面倒を見る。しかし、パートナーが他の本能領域に参加する必要性を感じるようになるかもしれない。Spの妻が家庭を守る役割を放棄して外に飛び出したり、Sx同士の片方が以前ほどの情熱を相手に注がなくなったりする。このような問題はタイプに関係なく、中年期に子供たちが成人した頃に起こる。

デビッド・ダニエルズが報告しているように、サブタイプの焦点のわずかな違いでさえ、長期にわたって関係を侵食する可能性がある。異なるスタイルやアプローチは、パートナー間のギャップに繋がる。この対立は神経生物学に基づく、異なるパターンに根差している。

あるSpの夫は、新しい家を建てるために夜遅くまで働いていたが、Sxの妻はこれに憤慨した。二人が幸せに暮らすための家を建てることは夫の愛の形だったが、妻はそう受け取らなかった。別の例では、Spの妻はSoの夫の交友関係や社会活動についていくのが難しいと思った。夫が頻繁に友人を招待すると、妻は安息を脅かされ侵略されているように感じた。夫の方は、妻が自分の友人を軽視し、交友関係を制限していると受け取った。このような場合、サブタイプの違いを思い出し、話し合って妥協点を見つけることが重要である。

<関係における自己保存サブタイプ>

彼らは家族、家、食べ物、仕事など、生活の基本的な活動を通じて繋がる。Spの人々は家族関係を重視し、コミュニティで「家族スタイル」を体現するが、境界線の設定方法には違いがある。一部のSp(特にタイプ9)は包括的だが、タイプ6やタイプ8は他者が家族の一員でない場合、その人物を部外者と見なす可能性がある。家族内に含まれている人物にとっては忠誠心と相互支援が期待できるが、関係が悪化しても家族のしがらみに縛られるかもしれない。

Spタイプはこのような基本的価値観を持っており、家族の重要性、共に決定を下す必要性、誰が家族構成員であるかの境界に関する仮定と優先順位の共有を、パートナーに期待する。これは家族や結婚の枠外で、パートナーが独立して物事を決定することを困難にする可能性がある。伝統的に、Spサブタイプの世界では婚姻が新たな家族同盟に繋がる。

このタイプは「満足できる生存条件(タイプ8)」と「食欲(タイプ9)」に注意を払うことで恩恵を受けるが、食物の過剰摂取で健康を害したり、買い物や料理に費やす時間が長すぎることがある。これらの習慣が防衛システムとリンクしているタイプの場合、関係の障害となる可能性がある。

Spの不安は慢性的な身体ベースの症状となって現れる。パートナーが彼らの警告や懸念を共有しないと、怒りや恐怖を感じる傾向があるが、大抵の場合これは不合理かつ非生産的である。不安が幼児期の経験に由来する場合、それは自己保存活動によって解決することはできない。タスクを介したルーティンではなく、信頼できる人間関係に頼るべきである。

自己保存の資質は本人、家族、パートナーに安全性、育成、豊かさを提供することができる。自己保存の問題がどのように表現されるかは、エニアグラムのタイプに依存する。タイプ5にとって、家は避難所として重要なため、他人を招待したり「遊びに出かける」ことが難しい。対照的に、タイプ7は家のスペースを拡張して、その活動に忙殺されることで、パートナーを疎かにすることがある。特にタイプ7とタイプ9は、他の人々が往復する能力や傾向を持っていなくても、家族スタイルを投影したり、相互交流を想定することがある。

<人間関係で発生する本能に反した問題>

一般的に、Spの人々は暖かく、保護的で、家庭に向いているが、時にはこれが反転してパラドックスを生み出すことがある。Spは大きなリスクを伴う新しいプロジェクトで友人やパートナーを驚かせたり、誘惑にかられて経済的安定を脅かしたり、安全な家や職場を離れて魅力的なものを追い求めたりする。

タイプ3は一生懸命働いて、自分の健康や家族を無視するかもしれない。タイプ5はリソースにけちで、それを所有していることを楽しまない場合があるし、暖かい関係を持たないタイプ6は、人々から離れて冷たくなる。タイプ7は財政的に破綻する可能性がある。逆に、タイプのイメージに合わない職業で成功する人々もいる。

<関係のヒント>

・自己保存の問題が、家族、友人、パートナーとの不安や心配の非言語コミュニケーションに繋がることに注意する。自分の懸念に直接対処するか、深呼吸して不安を手放すように努める必要がある。

・自分とパートナーのためだけに質の高い時間を用意して、仕事や家族の心配事を忘れる。

・他のサブタイプと話すことに注意を向ける。肉体労働、請求書、家族、ペットなどに気を取られない。他の本能型は自己保存のトピックにあまり関心がない。会話に彼らの興味を取り入れるようにする。時にはSo領域やSx領域に焦点を向けるように心がける。

・日常の活動や気晴らしを通じてエネルギーを分散させるのではなく、体内にエネルギーを構築して封じ込める。Sxは強度を、Soは構造を評価する。

・ウォームスタイルに合わない人を排除しない。これによって、あなたの世界は縮小され、リソースへのアクセスが制限される。一方、繋がる意図や能力のない人々と家族的な絆を想定したり、投影しないように注意する。

・一般的に、Spの仕事は自身の支配的な本能に気づき、管理して、その生産性と強みを享受し、この分野の過剰性に制限を設け、SxやSoの発達に必要な注意を払うことである。言い換えれば、自己保存に没頭しすぎずに、パートナーと共に質の高い時間を過ごしたり、他の人々と構造化された活動に参加することを検討した方がいい。

ところでサブタイプに関しては仮説がある。一般的には三つの本能のうちのひとつが支配的という考えが主流だが、そのうちの二つが同等に支配的ならば組み合わせは六つになる。

SpSxSo描写
HighLowLow自己を強調する。独立的、自己充足的、リソースを作り出して保存する。仕事の指向性と能力は細部に集中する。外部の関係、親密さ、社会活動に多くを期待しない。Sxにアピールする傾向がある。「サバイバルモード」で生きており、人生の基盤に必要なものを獲得・維持することに注意が向いている。
LowHighLow親密な絆や創造性を重視する。彼らの注意を惹きつけたものには、何であれ囚われ魅了される。日常的なニーズに気を配ったり、社会的な規範に適応することに困難を感じる。類似するタイプとの親密で刺激的な関係に惹きつけられる。
LowLowHigh外界や人間関係を重視する。社会性、人脈、グループなど。グループに関するあらゆる動きを観察しており、グループの動きやパターンを認識している。リーダーや活発な参加者として、公的な生活に惹きつけられる。Spにとっては表面的、Sxにとっては退屈に感じる。
HighHighLowペルソナの表現としての創造性や、潜在意識に根付いた創造的衝動性を重視する。この組み合わせは少数のグループや1対1で緊密に仕事をすることへの願望を生み出す。Soの欠如は公的な出来事への無関心や、社会規範に適応する必要がないという考えに繋がる。
LowHighHigh個人的成功(Sp-So)の結果として公共サービス(So-Sp)や社会的責任を重視する。Sxの欠如は感情的な平坦さや、親密性・創造性への軽視に繋がる。
HighLowHigh社会的生活の創造的側面や、社会生活を支配することを重視する。社会は親密な人間関係や創造的仕事が行われる場所である。Spの欠如は自己の代わりにグループに基盤を置くことに繋がる。


出典:

http://www.enneagram-monthly.com/subtypes-in-relationship.html 

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