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MBTI:タイプの知性


カーシーは4つの気質によってタイプを分類したが、各気質には固有の知性が存在する。この知性は社会での役割を決定し、特にリーダーとして力を発揮する際に重要になる。各気質の代表はチャーチル(SP)、ガンジー(NF)、ワシントン(SJ)、リンカーン(NT)が挙げられる。本題に入る前にリーダー論のようなことが書いてあるので軽く紹介しておくと、リーダーは才能を仕事にマッチさせることが重要だが、それだけでは十分ではない。リーダーはフォロワーを惹きつける限りリーダーであり、フォロワーはリーダーを喜ばせたいと思っている。フォロワーが業績を上げた場合、リーダーは感謝や称賛を忘れてはならない。また、フォロワーの仕事に関心を持ち、アクティブリスニング(積極的傾聴)することも必要になる。それぞれの気質が持つ知性は以下のようになる。
SPとNF、NTとSJは対照的な関係になる。この知性はスキルに直結するものではないが、興味のある知性に関連したスキルは伸びやすい。SPなら戦術スキルを発達させやすく、外交スキルは低い傾向にある。リーダーは自分が価値を置かない知性を軽視しがちなので、フォロワーの知性を意識的に褒めるべきである。この知性をさらにタイプ別に分類すると、以下のようになる。


対極にあるタイプのスキルは最も発達させにくい。INTPを例にすると、エンジニア→コーディネーター→提唱者→助言者→オペレーター→エンターテイナー→コンサバター→管理者の順に興味を持つ。

<SP:戦術的知性>

SPは自分の立場を向上させるために賢く行動する。戦術的知性は具体的で即効性があるため、四つの知性の中で最も目につきやすい。オペレーターは人々や機械を巧みに扱い、彼らの利益を促進する。エンターテイナーは美しいものや刺激的なもので周囲を惹きつける。

ESTPは確信、信念、自信、楽観性など、あらゆる形式の説得力に優れる。魅力やウィットで他者の注意を引き、相手の意思がどうであれ自分の活動に巻き込む。ESTPはリーダーに感銘を与えて自身の活動について議論しようとするので、彼らのスキルは評価されやすい。ISTPはツールや機械を見事に扱い、手仕事を完了する。華やかさには欠けるが、見るものが見れば名人芸であることがわかる。リーダーはこれらのスキルを認め、報いるべきである。

ESFPは自らの才能を喧伝することを好む。彼らは目立つが、宣伝活動に関わらない限り貢献は判然としない。関わった場合、爆発的な力を発揮する。顧客に対してのみならず、新技術を上層部に宣伝することもできる。ISFPは感覚的な側面を娯楽に落とし込む。彼らは芸術と調和する感覚を見抜いて統合する才能を持つ。インテリアコーディネーターやファッションデザイナーは適職である。映画監督や作曲家のスキルは目に見えないため、ISFPは他のSPほど目立たない。

SPのリーダーは交渉と問題解決を上手くこなす。彼らの態度は自信と確信に満ちており、人々を自らの決定に従わせることができる。他の気質と異なり、SPは習慣や個人的感情に囚われずに鋭く現実を見据える。彼らにとって規則や人間関係は流動的なものである。SPは生来の交渉人で、他のタイプがチップを分配されるのを待っている間に、多くのチップと交換できるものを見つけ出す。SPのリーダーは効率的な動きで物事を迅速に指揮する。口頭で計画を伝え、即座に意思決定を行い、問題の種を発見して被害の拡大を未然に防ぐ。通常はフォロワーの労働条件にも気を配り、誉め言葉も簡単に与える。良い結果を期待して、何かを達成する前に褒めることさえある。SPは仕事のやり方に口出しされることを嫌い、詳細に無頓着で口約束を守らない。危機的状況にない場合、頑固で行動は予測しやすい。本質的に柔軟で変化を歓迎し、変わり身も速いが、変えられないことには拘らない。安定した環境に置かれると退屈して自ら問題を引き起こすので、チームには他の気質を揃えて尻拭いさせた方がいい。

<SJ:物流的知性>

SJは物品やサービスの扱いに優れている。他の気質と同様、SJは自身の知性を認められたいと思っているが、この知性はSPと並んで注目されやすい。監督者は確立された規則や手法を熟知し、それを順守することに気を配る。コンサバターは組織の物流や、人々の安全を確保することに誇りを持つ。

ESTJは人々の態度を規範に従わせることで、人材を管理する。製造・サービスの過程で、標準化された手法を喜んでスタッフに順守させる。規範を軽視する人間にとっては喜ばしくない存在なので、ESTJの貢献は最も称賛されにくい。ISTJは手続きよりも製品や会計に注目し、それが基準を満たしているか判断する。ISTJはハードワークをこなし、(ESTJとは異なり)違反者に対応するより単に矛盾を報告することを好む。優れたISTJは品質やコスト効果を高いレベルで正確に管理する。

ESFJは職務をこなすために必要な供給品を提供する。他者のサポートを惜しまず、規約に従って物品を備える。ワシントンの例に見るように、ESFJは対極にあるコーディネーターの役割を創造的にこなすこともできる。ISFJは人々や財産の安全を守る。ESFJ同様、他者の幸福に配慮しているが、ISFJは最も安全の優先順位が高く、優れた警備員、軍曹、番人になる。ISFJは物静かで安全が破られた時にのみ注目されるため、リーダーは日頃から感謝を欠かすべきではない。

政治や軍事はSJのリーダーが活きる領域である。組織を効果的に安定化・強化して、コミュニケーションの線を引き、仕事が完了するまで職務に従事する。SJは自身の職務同様、フォロワーの職務にも注意深く、勤勉は賞与をもって報われる。組織に伝統が欠けている場合、迅速に儀式や習慣を作り出す。この安定化はパーキンソンの法則に支配され、官僚主義に陥る危険性を孕む。この場合、手法を見直すよりも人材を投入する傾向があるが、状況は変化するため、同じ手法で同じ結果を得ることはできない。SJは勤勉で責任感があり、自身の価値観を他者にも投影する。最も勤勉な者だけが称賛に値すると見なし、それ以外は目に入らない。フォロワーが何らかの功績を上げた場合、それが最上のものでなくとも「達成した」という事実を認める必要がある。自身がそれに値すると思わない限り、他者からの賛辞にも謙遜する。また、他者の長所よりも短所に言及する。SJは計画の遅延や締め切りの無視を嫌い、苛立ちが募ると人格の問題に着目するため、NFがチームにいた方がいい。SJのリーダーを欠いた場合、重要な詳細が見落とされ、資源の浪費が激しくなる。

<NF:外交的知性>

NFは人々の成長を促進するが、このスキルは抽象的で識別されにくい。彼らはリーダーからの感謝(の欠如)に敏感なので、常に肯定的に接する必要がある。助言者は人々の達成と潜在能力の支援に気を配り、個人的成長のために熱心な指示や提案を行う。提唱者は理念や信念を探求することで、自身やグループに統一性をもたらす。

ENFJは他者を個人的に教育することにコミットする。生徒となる人間を自然に引き寄せ、個人的な指導を行う。このタイプはNFの中で最もポジティブで、熱意とカリスマ性をもって役割を果たす。生徒はこの原動力に刺激され、抵抗できない。INFJはクライアントに熱心に働きかけ、単なる「仕事の満足」以上のものを満たす活動に導いて、個人的成長を促す。INFJは他者のニーズや能力を鋭く認識し、ほとんど無意識に影響を与えて個人的な探求を促進することができる。

ENFPは最も陽気なNFであり、周囲の人々のやる気を引き出す。理想を抱くと、自らの信念を熱心に布教する。ENFPは「顧客至上主義」のタイプであり、相手の懐に入って共感することで話を聞き出す。INFPは人々を団結させ、内心の葛藤を和らげ、対立する価値観を調停する。調整、妥協、個人内・対人間の調和、団結を得意とし、分裂した人々や傷ついた自己をひとつにする。INFPは子供(特に内気で引っ込み思案な子供)相手のカウンセラーに適性を発揮する。

ガンジーやジャンヌ・ダルクは稀有な例だが、NFは政治・軍事のリーダーにならない。アメリカの大統領にもNFはおらず、他者を支援し組織を円滑に動かすことを重視する。NFは第一に「人」にフォーカスしており、組織の発展よりスタッフの個人的成長に興味がある。NFのリーダーは共感的で個人的事情にも配慮するが、フォロワーに労力を注ぎすぎることがある。NFは適切な時に適切な方法で感謝を表明する術を知っており、言語・非言語を問わず豊富なフィードバックを与える。一方、受容と奨励を重視するあまり、拒絶や不承認などネガティブな問題の扱いを苦手とする。NFは気持ちの切り替えが上手く、嫌なことがあってもポジティブな面に目を向ける。彼らは過去と未来の両方に対して夢想家である。自分が他者にするのと同様、他者からの感謝や称賛を求める。また、独創的な存在だと認識されたい。それが正しいものであっても、批判や改善への要求を苦手とする。「役職」として扱われることを嫌い、物事を個人的に受け取る。NFは裁量権を与えられると力を発揮するが、規則に縛られると憤慨する。チームが批判されたり、物事が上手くいかなくなると即座に自信を喪失する。チームにNFがいない場合、メンバーは組織の冷たさや素っ気なさを実感し、モラルの低さに不満を漏らすようになる。

<NT:戦略的知性>

NTは複雑なシステムを扱うことに長けている。これらは抽象的な概念なので、観測することが難しい。NTは自身の知性を称賛されたいと思っているが、他者がこれらを理解することに懐疑的である。コーディネーターは計画的で、自身の指示に他者を従わせることを躊躇わない。エンジニアは有用なモデルを構築し、科学的な原則を実用に持ち込むことに惹きつけられる。

ENTJは階層的な秩序を整備することに最も長けており、戦略的計画に必要なリソースを徴発し、指揮系統を作り上げる。マイヤーズはこのタイプを「リーダーの中のリーダー」と称した。彼らは前進して主導権を奪うことを恐れないので、NTの中で最も目立つ。INTJは全体像を把握し、最小限の労力で目標を達成するフローを組み立てる。エジソンは発明の才能でテスラに劣ったが、自身のチームを調整する能力に優れていた。INTJは複雑なシステムを構築するよりも、緊急時対応計画を得意とする。

ENTPはメカニズムを考案する。INTJとは異なり、他者を指揮することより研究室で設計することに興味がある。世に出した作品がリーダーや公に認められないこともあるが、彼らが関心を持つのは技術の適用やプロトタイプの構築のみである。INTPは大規模な構造計画を設計する。製品は目視できるがスキルは見えないので、INTPは技術力よりも作品によって知られる。コーディネーターの役割をこなすこともできるが、システムをデザインして最も効率的な組織図を描く方に喜びを感じる。

NTは洞察的リーダーであり、思い描いた目標を効率的に達成する戦略を構想する。NTが得意とする多角的分析は他の気質にとって難しく、このようなリーダーを欠くと目標が空中分解する。官僚主義は排除され、システムを効率よく運用する。人々はビジョンを持つリーダーに従うが、冗長性を嫌う性質が困惑を招くことがある。NTは最小限の情報でアイデアを提示し、関連情報を言語化する必要を感じていない。コミュニケーションに効率を求め、専門用語や複雑な概念を用いて、フォロワーが一度にそれを理解することを期待する。また、称賛すら言語化しない。リーダーからの称賛は組織からの称賛と受け取られるため、この領域ではNFから学んだ方がいい。基準を吊り上げ、間違いに苛立ち、皮肉や軽蔑で他者を傷つけることがある。ルーチンワークを褒められても感じるものはなく、NTにとって重要な領域で有能な人間からの賛辞にのみ意味がある。NTのリーダーは一貫して実用的かつ懐疑的であり、既存の手段を無条件に適用しない。

ここまで各タイプの「知性」について見てきたが、気になるのは「本当に性格によって適職はあるのか」ということである。これは一般論として断言することはできないが、面白い調査があったので紹介する。169人の医師を対象に、性格と専門分野の関係を調査したところ、性格特性は特定の専門分野の選択に関連していた。例えば、「調査的」な性格は病理学や内科、「同情的」な性格は精神科を選択する傾向がある。ただし、生活満足度はこれらの特性と専門分野の一致度ではなく、自己主導性と強く関連していた。つまり、性格によって選びやすい職業(専門分野)は存在するが、「適職」に就くことが満足に直結するわけではない。むしろ無意識に選びやすい職業は本当に自分にとって最善の選択なのか、見直してみることが必要なのかもしれない。

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